革新的コラボレーション:自動車メーカーとの共同開発部品、表彰を受ける
KRAIBURG TPEと自動車メーカーによる協同開発の成功
ドイツ南部に本社を置く、ある自動車メーカーとKRAIBURG TPE(クライブルグTPE)との協業は、優れたソリューションの創造へと帰結しました。未来指向で持続可能であり、かつ効率的であるこの新素材は、OEMとの緊密な協力のもとに開発され、現在、一連の量産プロセスへの移行が進められています。
自動車の広い範囲に設置されているシール材は、特に車内への水の進入を防ぐために、ドア、エンジン・ルーム、トランク・リッド、その他の場所に数多く使用されています。しかしながら、ゴム部品とガラスやプラスチック、または金属材料で作られているものとの接触や移動は、しばしば不愉快なノイズを発生します。特に過酷なケースでは、部品の動きが制限される結果、それらの部品はスティック&スリップ現象として知られる断続的な滑り現象を発生します。高級自動車のメーカーとKRAIBURG TPEは、こうした問題のソリューションを開発すべく、緊密な共同研究を実施することを決定しました。これまでに、これらの材料の共同開発活動に対する高い評価は、第18回MATERIALICA・デザイン・アワードの最優秀賞の受賞という結果につながっています。
従来、スティック・スリップ現象によって発生する不快なノイズを防止するための方法は、摩擦防止のコーティングを加えることでした。 しかし、これらのコーティングは信頼性の高い加工が困難であり、また経時変化による性能低下が避けられませんでした。これらの不愉快なノイズは自動車のライフサイクルの後期で発生し、OEMが本来最も避けたいと考えている品質の劣化をもたらします。摩擦学に基づく、最も多用されている摩擦防止コーティングの一番の欠点は、廃車時の自動車材料の分解を困難にすることであり、すなわち著しくリサイクル性を阻害するということです。
この新たなアプローチは、従来のソリューションの著しい欠点を改善するものです。部品に最適化し変性したカスタム・デザインの材料のおかげで、追加的なコーティングの必要はありません。この材料のさらなる利点としては、デポ効果(持効性効果)による長期的な摩擦低減効果、最大限のデザイン自由度、加工条件の自由度、工程削減および重量・コストの低減などが挙げられます。その上、この新たなソリューションの熱可塑性エラストマーは工程内リサイクルが可能です。
主な材料特性:
- 最大90%の部品間の摺動摩擦係数
- 最大50%の摩耗減少
- 最大100%の工程内リサイクル率
「自動車メーカーとの緊密な共同作業により、私たちはプロジェクトを通して大きな進歩を遂げることができました。このプロジェクトは材料サプライヤーとOEMとの間における成功と信頼、そして持続可能な協力を行った輝かしい実例であり、両者にとって非常に有意義なものとなったと考えています。」 KRAIBURG TPEの自動車分野開発部門の工学士、フロリアン・フェッターはこの緊密な協力をこのように振り返ります。「このプロジェクトでは、OEMが初期から関与したことが全体的な効果を発揮し、非常に高い水準で正確に顧客要求を満たすソリューションを開発することを可能にしたのです。」
第18回MATERIALICA デザイン+テクノロジー・アワードの受賞者は、2020年10月20日にモビリティ4.0-electric-connected-autonomous:eMove360°Hybrid 2020カンファレンス&エキジビションの中で発表されました。メルセデス・ベンツAGおよびKRAIBURG TPEは、摩擦システムにおけるベスト・パフォーマンス・マテリアルズ - サイレント・マテリアルとして材料部門の最優秀賞を受賞したのです。