洗練された部品のための、発泡体不使用の超軽量材料
KRAIBURG TPEは世界初の軽量熱可塑性エラストマーを発売します
KRAIBURG TPEは、超低比重の熱可塑性エラストマー(TPE)の生産を可能にする、革新的な材料技術を開発致しました。この成果は、ますます需要が高まっている自動車の構造部品、パワーツール、そして様々な他のアプリケーション領域に対応する、3つの新たなプロダクト・ラインに結実しています。
自動車のCO2排出量を削減し、かつ新機種での燃費性能を向上し機種のラインアップを充実すべく、自動車メーカーは常に自動車の軽量化のためのソリューション、特にばね下重量の削減を目指しています。その一方で、さらなる軽量化とモビリティの拡大は、他の分野、例えばスポーツやレジャー、アウトドア用品など、更にはパワーツール、航空、ドローン、繊維業界など他の製品分野においても、市場での成功に決定的な役割を果たしています。
このためTPEを含む多様な展開を可能とする材料が様々な用途に使用されていますが、他方、それらの材料を使用するには、波打ちなどの不良のない、均質で美しい表面品質を形成する緻密なプロセス制御が要求されます。
KRAIBURG TPEは、0.7から0.9 g/cm3(1.358から1.746 slug/ft3)までの比重を持つ超軽量材料と3M™社のグラスバブルズを組み合わせることにより、優れた表面品質を提供し、機械的負荷への耐久性を備えつつ超軽量・薄肉成形の製品の生産を可能とする、新規かつ画期的なTPEテクノロジーを実現しました。
この微細な空胴を持つグラスバブルは、非水溶性で化学的に安定した硼珪酸塩ガラスで作られており、これらはTPEマトリックスの中で均一に拡散し、寸法安定性の向上に寄与しています。
この新しい軽量TPEは、すでに技術が確立している射出成形機および押出成形機によって、高いコスト効率で加工することができます。著しい軽量化(表参照)と非常に均質な表面品質の実現に加えて、これらの材料はさらに、優れた圧縮変形ひずみの値を提供します。そして、生産中の廃棄材料は直接リサイクルが可能です。
KRAIBURG TPEは、この世界初のTPEグループについて、まず3つのシリーズの導入を図ることにしています。
- THERMOLAST® K LW/UV(軽量+耐紫外線)は、特に自動車外装部品用に最適です。
- THERMOLAST® K LW/CS/UV(軽量+圧縮変形ひずみ性の向上+耐紫外線)は、優れた弾性エネルギーとポリプロピレンへの接着性を持ち、様々な密閉用アプリケーションに特に適しています。
- THERMOLAST® K LW/PA(軽量+ポリアミドへの接着性)は、さらにUL94HB準拠の難燃性を達成しており、例えばパワーツールなどの用途に適しています。
「3M™グラスバブルズは、様々な硬質熱可塑性プラスチックのための軽量化用フィラーとして検討・試験が行われてきましたが、私たちの新たな軽量化テクノロジーは、この素材をTPEに応用した初めての例です。」
KRAIBURG TPEの先行開発プロジェクトマネージャーであるマーティナ・ヘッテリッヒはそう強調しています。「当社のパートナーである3M™社との優れた共同作業のおかげで、私たちは、現在の軽量化構造および品質要求を満足する処方を開発できただけでなく、当社のTPEの用途開発においても、まったく新しい市場の開拓に寄与することができたのです。」
KRAIBURG TPEの、これらの3種類の新しいTHERMOLAST® K軽量シリーズは、現在全世界で入手が可能です。