呼吸管理機器の技術進歩は、予防法や治療結果の向上という結果を生み出しています。グローバル規模で呼吸器疾患が増大している中、気道および肺機能の改善のため、粘液除去を支援するための機器への要求はますます増大しています。しかし、すべての呼吸と呼吸治療用機器は同じように制作されるとは限らず、またそれらの材料の組成はすべて違っています。

熱可塑性エラストマー材料またはTPEの生み出す特性は医療機器に適しており、特に人工呼吸器と呼吸治療用機器は最適なものです。こうした材料の持つ、低い表面摩擦、良好なシール性、ソフトな触感、弾力性、耐久性および良好な接着性などの利点は、医療用吸入マスク、袋バルブ・マスク、マウスピース、チューブ、および呼吸支援用器具のコネクターなどの用途に理想的です。

様々な業界のために多様な熱可塑性エラストマー製品およびカスタム・ソリューションを提供するグローバル・TPEメーカーであるKRAIBURG TPE（クライブルグTPE）は、ヘルスケア施設で使用される医療・医薬品関連機器の用途のために、THERMOLAST® M TPEコンパウンドを提供しています。

医療用途のために、滅菌が可能で、安全性を重視した材料
THERMOLAST® Mシリーズのコンパウンドは、121℃あるいは134℃の加熱蒸気、γ-ガンマ線処理（2×35 kGy）、β-線（電子ビーム）処理（2×35 kGy）およびEtOガスによる滅菌処理が可能です。医療用途での安全な使用のために、これらのコンパウンドはラテックス、PVCおよびフタル酸塩を含んでいません。また、これらは重金属を使用せずに製造されています。

さらに、THERMOLAST® Mコンパウンドは、酸素チューブ、噴霧器管材料、エアロゾル・マスク、マススピース、フレキシブル・コネクタ、ポータブルネブライザ、バルブ（マウスピース）および鼻圧注（リッドおよびコネクター）のような呼吸治療器の用途はもとより、その他のフレキシブル・コネクタ、メンブレン、シールおよびバルブへの使用にも最適な、優れた耐久性、柔軟性および高弾性を備えています。

THERMOLAST® Mシリーズは、PP、PE、COCおよびCOPのような一連のポリオレフィン、またABS、PC、PETG、さらに複合射出成形で併用されるポリアミドなどのエンジニアリング・プラスチックに対しても、優れた接着性を持っています;
コンパウンドは射出成形と押出成形による加工が可能で、また優れた圧縮永久歪特性を持っています。
これらのコンパウンドは、通常、透明あるいは半透明色で供給されます。しかしながら、KRAIBURG TPEは着色、または個別のカラーサンプルに合わせた調色のサービスを提供しており、すべてのコンパウンドについてこの調色サービスの対応が可能です。

安全性の証明
このTPEシリーズは、ドイツ技術者協会（VDI）発行の医療用グレード・プラスチック（MGPs）のためのVDI2017ガイドラインの要求事項、またREACHおよびRoHSの基準を満たしています。これらの材料には、DIN ISO 10993-5（細胞毒性）、 ISO 10993-4（溶血性、間接血液接触）、ISO 10993-10（炎症及び皮膚感作性の試験）、ISO 10993-11（組織毒性の試験）、またUSP Class VI （溶出試験）の規格に基づいた試験が行われています。

顧客満足を最優先のものとして
KRAIBURG TPEは、ドラッグマスターファイル（DMF）に常に製造工程を記録し、当社の顧客の要求に応えることを主眼とした独自のサービスパッケージを提供し、当社の製品における高度な基準を維持する努力を続けています。そして、当社のTPEの品質と安全性、および信頼性を保証すべく、当社の原料サプライヤーから24か月の供給安定性と清浄性についてのコミットメントを確保し、またTHERMOLAST® M専用の生産設備を適用しています。