最終更新: 2019 年 12 月 4 日最終更新: 2025 年 3 月 10 日

THERMOLAST® Kを使用したフレキシブル・ケーブルマウントシステム

KRAIBURG TPEは高品質のコルゲート・チューブのために、PAへの最適な接着性を備えた共押出用のTPEを供給しています

KRAIBURG TPE（クライブルグTPE）による新機軸の熱可塑性エラストマー（TPE）ファミリーは、ポリアミド（PA）との複合材料アプリケーション用に確立された射出成形用TPEの材料特性を、さらに押出成形用途のために展開します。自動車のケーブル・マネージメント・システムは、シュレンマー・グループ（ミュンヘン）が製造する、PAとTHERMOLAST® K AD/PA/CS2コンパウンドとの共押出しによる新タイプのポリフレックス・コルゲート（波形）チューブを採用した、初のアプリケーションです。

PAなどの極性のプラスチックとのTPEの直接接着では、各アプリケーションおよび加工方法における特定の条件に、それぞれの材料を厳密に一致させることが要求されます。KRAIBURG TPEは、これらの手法についての広範囲な研究を行なっており、特定用途での推奨条件や、カスタム・エンジニアードのコンパウンドを提供することで、PA/TPEアプリケーションを使用する顧客をサポートしています。このように技術の確立されたアプリケーションの例としては、射出成形によるガスケット、マウント部品、ケーブル・ブッシングや表皮成形品があげられます。

この新しいポリフレックスのフレキシブル・ケーブルマウントシステム用のコルゲート・チューブの構造は、特に自動車の製造において、シュレンマー・グループによるTPE部品への要求事項が高度化したことを意味しています。シャープエッジをなくし、かつスリットの入ったコルゲート・チューブによりより迅速なインストールを可能にするため、この製品開発企

業の設計においては共押出しによるPAとTPEの組み合わせが目標として定められました。

「私たちは、自動車用途のために必要な耐熱性や低温下の強度を提供するだけではなく、さらに経済的な手法で押出成形が可能なTPEを捜していました。これはつまり、接着剤を使用することなくポリアミドとの複合化を可能とするということです。さらに、この材料構成では信頼できる接着強度を保証することを必要としていました。」シュレンマー・グループの材料開発スペシャリスト、ミハエラ・ザグラー氏はそう説明しています。「KRAIBURG TPEのTHERMOLAST® Kシリーズの材料のなかから私たちが選定したTHERMOLAST® K AD/PA/CS2コンパウンドは、まさに必要とされるこれらの特性のコンビネーションを実現するものです。」

広範囲な試験の後、シュレンマーは、新しいTHERMOLAST® K AD/PA/CS2シリーズのTPEを選定しました。この材料は特にPA6、PA6.6およびPA12のようなポリアミドとの複合化による先進的な射出成形および共押出し用途のために開発されたものです。この製品はこれら材料への優れた接着性と、傑出した圧縮歪み特性を提供しています。これらの材料の最大常用温度は125℃（3,000時間）ですが、さらに短期耐熱温度は150℃（240時間）に達しています。

また、これらの材料は、高い破断時伸び、引裂き強度および引裂き伝達抵抗を特徴としており、さらにUL94 HB相当の難燃性も備えています。さらには、このTPEファミリーは、ショアA硬度40～80の範囲で、仕上げ塗装を必要としない非常に美しい表面品質を、優れた耐摩耗性とともに提供しています。選択されたコンパウンドは、VDI 2019準拠の剥離試験において8.5N/mm以上の強度を示しています。

AD/PA/CS2シリーズのTHERMOLAST® Kコンパウンドは、黒および着色可能なナチュラル色で世界的に供給されます。これらの材料はすべてのKRAIBURG TPEの製造拠点で、同一の品質規格に従って製造されます。

シュレンマーについて

ミュンヘンに拠点を置くシュレンマー・グループは世界的なテクノロジー・エキスパート企業であり、コネクティビティ、安全性、サステイナビリティーおよびe-モビリティのメガトレンドの形成を支援し、明日へのモビリティ・ソリューションを提供しています。創造的なパートナーとして60年以上の歴史を持つ同社は、ケーブルおよび流体マネジメントシステムのための多様かつ包括的なソリューションを生み出しています。シュレンマー・グループの主な事業領域は自動車産業ですが、同社はさらに他の業界でも事業を展開しています。

戦略的に重要な地域における22の拠点と、さらにモバイルの製造ユニットを駆使し、シュレンマーは世界市場で活躍しています。このことは各地域毎の開発、生産および流通活動を展開しつつ、これを活用したグローバル戦略の実践を可能にしています。2018年に、シュレンマー・グループは全体で約3,800人の従業員を擁し、3億5500万ユーロの純売上高を記録しています。より詳細については、同社のホームぺージ：www.schlemmer.com をご覧ください。

Flexible cable management system with THERMOLAST® K

KRAIBURG TPE supplies co-extruded TPEs with optimum adhesion to PA for high-quality corrugated tubes

An innovative new thermoplastic elastomer (TPE) family made by KRAIBURG TPE transfers the established properties of injection-moldable TPEs for multicomponent applications with polyamide (PA) to extrusion. Cable management systems in motor vehicles are the first application for which the Schlemmer Group (Munich) is producing new types of Polyflex corrugated tubes by co-extruding PA and a THERMOLAST® K AD/PA/CS2 compound.

Direct adhesion of TPEs to polar plastics, such as PA, requires carefully selecting the two components and matching them to the specific requirements for each application and processing method. KRAIBURG TPE has performed an extensive study of these criteria and is supporting its customers in using PA/TPE applications by providing specific recommendations and custom-engineered compounds. Established multicomponent applications of this type include injection-molded gaskets, mounting elements, cable bushings and membranes.

The new types of Polyflex corrugated tubes for flexible cable management systems, particularly in vehicle construction, mean that the Schlemmer Group’s requirements for TPE components have risen. In order to avoid sharp edges and allow faster installation thanks to slit corrugated tubes, the product developers’ design was aimed at combining PA and TPE by co-extrusion.

“We were looking for a TPE that not only provides the necessary heat resistance and cold toughness for use in motor vehicles, but can also be extruded economically – i.e. without the use of bonding agents – with polyamide. It was also necessary to ensure reliable adhesive strength in this material composite,” explains Michaela Zagler, Material Development Specialist at the Schlemmer Group. “THERMOLAST® K AD/PA/CS2 is a compound that we found among KRAIBURG TPE’s THERMOLAST® K materials that provides this combination of properties.”

After extensive testing, Schlemmer chose a TPE from the new AD/PA/CS2 THERMOLAST® K series, which was specially developed for sophisticated injection molding and co-extrusion applications with polyamides such as PA6, PA6.6 and PA12. The products are characterized by their excellent adhesiveness and provide an outstanding compression set. While their maximum service temperature is 125 °C (3,000 hours), they also resist peak temperatures of up to 150 °C for short periods (240 hours). They also feature high elongation at break, tear strength and resistance to tear propagation, as well as slow burning (UL94 HB). In addition, the TPE family provides a very aesthetic surface quality with excellent wear resistance that does not require finishing, at a hardness range between 40 and 80 Shore A. The selected compound shows a peeling resistance of more than 8.5N/mm during tests in accordance with the VDI 2019 standard.

THERMOLAST® K compounds in the AD/PA/CS2 series are available worldwide in natural color (colorable) as well as in black, and they are produced in accordance with identical quality standards at all KRAIBURG TPE sites.