BabyPykeサングラス - 皮膚にやさしいエルゴノミクス・デザイン
THERMOLAST® Mと創るイノベーション
KRAIBURG TPE(クライブルグTPE)によるTHERMOLAST® M(サーモラスト® M)を使用して、ベルギーの企業であるPyke S.A. は、乳児や幼児のための、優れたエルゴノミクス設計からなる、低アレルギー性のサングラスを開発しました。
「BabyPyke」の名前で販売されているこのサングラスでは、設計と材料選定の両面において、非常にユニークな開発が行われています。フレームとヘッドバンドは、THERMOLAST® Mファミリーの柔らかくフレキシブルな熱可塑性エラストマー(TPE)を使用し、射出成形の手法で生産されています。この材料は装着時の快適さを最大限に高めると同時に、敏感な子供の眼を有害な紫外線(UV光線)から保護するためのパーフェクトな密着性を実現しています。このコンセプトは、水中眼鏡のそれに似ています:後頭部を取り囲む形状により良好な圧力分布を実現する円形のボウは、2つの調整可能なクリップによって短いヘッドバンドに固定されます。フレームとヘッドバンドは、摩擦の低い、シルキーな表面を特色としており、これが皮膚や髪の毛が引っ張られることを防いでいます。また、軽量設計を実現しているため、ヘッドバンドが耳の周囲をこすったり圧迫したりすることもありません。
「BabyPykeは、小さな子供のためのサングラスとして研究を重ねた結果として創られたもので、上方、あるいは側方から入って来る紫外線照射から眼を守るため、眼の周りにタイトにフィットする製品になっています。乳児や幼児の眼は、まぶたを閉じる反射運動がまだ完全には発達していないことと、(顔の中で)瞳が占める割合が大きいため、特に高いリスクにさらされています。さらに、水晶体は年上の子供と比べてもはるかに透過性が高いのです。」Pyke S.A.のイサベル・ヴァンステーンキステ氏は、そう説明しています。
「しかし驚いたことには、市場にはそのようなサングラスが今までにはなく、故に私たちはそれを開発することに決めたのです。私たちがエルゴノミックスのコンセプトで必要としていたのは、フレキシブル且つ極めて低アレルギー性の材料であり、且つグッド・デザインとアプリケーションの性能を満たすものでした。そして、経済的な手法で生産出来ることもまた重要でした。これらの要求をKRAIBURG TPEの材料は完全に満たしてくれたのです。」
このサングラスに使用されたTPEはTHERMOLAST® Mファミリーの製品です。このグレード群は高い純度を持ち、主に医療・製薬分野で使用されています。このファミリーの製品群は、EU指令10/2011、および連邦規制基準・FDA21章(CFR21)・食品接触用途に適合しています。低アレルギー性の材料として、これらの材料は、例えば口内粘膜のような皮膚接触においても生理学的に安全であることが確認されています。これはしばしば物を口に入れてしまう可能性のある乳幼児向けの製品においては重要な要求事項の一つなのです。さらに、BabyPykeサングラスが必要とする、典型的な使用環境の影響への耐久性、すなわち最大80℃までの耐熱性、紫外線照射による変色、スイミング・プールの塩素殺菌された水や、海水の塩分、また日焼け止めローションや皮脂などへの安定性などを満たすうえで、THERMOLAST® Mは重要な役割を果たしています。何よりも、この材料のもつ傑出した柔軟性は、子供が取り扱う際に起こりうる多様な引っ張りやねじり、曲げなどの外力に対して、このサングラスが永久変形を起こすことなく容易に耐えうるものとしています。
KRAIBURG TPEは材料選定においても同社を支援しました。この材料は優れた流動性を備えており、サングラスのような細く長い製品の射出成形においても、長い流動距離を短いサイクルで充填できるという特徴があります。PYKEはさらに8つの異なる色彩のサングラスを提案するため、着色が容易なTPEを必要としていました。フレームの制作後には、耐紫外線性能を持ち、耐衝撃、飛散防止性能を持つZEISS製レンズが、フレームで取り囲むように組み込まれ、脱落しないようしっかりと固定されます。
TPE部品の製造と、EU規格に準拠した最終組立は、ベルギーのPyke S.A.社で行われています。BabyPykeサングラスは、年齢が3歳まで、頭の周囲41cmから50cmの幼児に適しています。欧州内の湖畔、海岸および山脈での使用で推奨されているフィルター・カテゴリー3に準拠し、最大限のUVAとUVB防止効果が保証されています。
この高度な防止効果は、特に子供の場合、決して行き過ぎたものではありません。強い紫外線放射は目の障害を引き起こす場合があり、長期的な視力の問題にもなり得ます。これは夏だけに起こるものではなく、太陽が低く地平線の位置にある場合や、雪原、海域あるいはアスファルトからの紫外線反射が目に障害を与える場合もあります。曇天の場合でさえも、紫外線放射の90%は雲を通り抜けて地表に達しているのです。
KRAIBURG TPEのTHERMOLAST® Mを採用した、低アレルギー性でフレキシブルなBabyPykeサングラスは、2016年6月から多くのオンラインショップ、または世界中の実店舗で購入可能となっています。このサングラスは発売以来非常な成功を収めていますが、これは親となった方々の間で、特に乳児や幼児の為の製品を買い求める場合の、品質や安全についての意識がますます高まっていることを示すものです。材料における食品安全規格への準拠や、フタル酸塩、PVC、シリコーンあるいはラテックスなどを含まないフレームの設計は、こうした傾向に応えるものです。
Pykeについて
Pyke - 子供の眼を守る(Protect Your Kid's Eyes/ https://en.pyke-sunglasses.com):Pyke社は、子供を保護するためのソリューション及び製品の開発を活発に行っている、2015年2月創業の新しい企業です。「私たちの最初の大きな挑戦は、有害な紫外線放射から乳児の眼を保護するために、「100%乳児のために考えられた」サングラスを設計することでした。」サングラスのような製品には、しかし、必要とされる条件があります。設計にあたってはそれをしっかり理解したうえで取り組まなければなりません。数か月を費やした研究開発の後、Pykeは、特に生後3か月から36か月の間の子供の形態的な特性に適した、メイド・イン・ベルギー・モデルのサングラスを開発したのです。それが「BabyPyke」です。
革新的な「BabyPyke」サングラスのフレキシブルなフレームは、高い流動性を備えたKRAIBURG TPEのTHERMOLAST® Mにより作られています。このサングラスは、完全な眼の保護と低アレルギー性へ皮膚に優しい設計が特徴です。
(写真:Pyke