新しいパフォーマンス・クラスをマーケットに
熱可塑性エラストマー・ハイブリッド(TEH) - 2つの世界のシナジー
Fakuma 2018におけるKRAIBURG TPE(クライブルグTPE)の展示は、一般的な熱可塑性加硫物の用途をはるかに上回る、アプリケーション固有の要求に応じた材料の組合せや変更の自由度を特色とする、新しい熱可塑性エラストマー・ハイブリッドの革新的な新技術をフィーチャーするものとなります。
熱可塑性プラスチックと架橋エラストマーを混合することで作られた材料は、従来は主にEPDM/PPブレンドとして知られていました。これらは熱可塑性プラスチックの加工性とエラストマーの物性を組み合わせたものですが、高温となる物体との接触を必要とされる場合には、その性能には一定の制限がありました。このことは、熱可塑性プラスチックの良好な加工性や、特に優れた耐熱性と耐薬品性を持つ材料への需要の高まりとは相反するものでした。KRAIBURG TPEは、新たな材料をEPDM/PPのような既知のTPVブレンドと区別するために、熱可塑性エラストマー・ハイブリッド(TEH)の呼称でこれらを分類しています。
KRAIBURG TPEはこれらの画期的なTEH材料の製造技術を開発し、試験を行って来ました。アプリケーションに特化した結果生まれたこれらのTEH材料は、企業が今まさに取り組んでいる、あるいは新たに起こりつつあるチャレンジに応えるというだけでなく、熱可塑性プラスチックの加工のための新たなパフォーマンス・クラスを位置づけるものです。
「当社のTEH製造技術によって、様々な種類のエラストマーと熱可塑性プラスチック混合物の組み合わせを創ることが可能になりました。これにより、それぞれの架橋システムを組み合わせることで、かつて例のない特性を持った材料を作り上げることができるようになったのです。その高い性能から、新素材は従来のゴム化合物の代替として利用することが可能となりました。 高い耐薬品性や耐熱性を含めたこれらの材料の特性は、各アプリケーションの要求事項によって調節することが可能です。」KRAIBURG TPEのアドバンスト・デベロップメントのヘッドであるフリーダー・ヴィールサック博士は、そう説明しています。
彼は更に付け加えます。「この技術は、特定のアプリケーションの要求事項に材料の特性プロファイルを適合させる柔軟性を与えてくれています。」
結果としてこのコンパウンドは、一般の熱可塑性プラスチックのように、単に通常の架橋ゴム代替として経済的な加工が可能となるばかりではなく、さらにポリアミドと熱可塑性ポリエステルのようなエンジニアリング・プラスチックとの複合成形のアプリケーションをも可能とする、魅力的なオプションを提供しています。それらは通常の射出成形や押出成形ラインで加工することが可能であり、更には完全にリサイクルが可能です。標準色として黒とナチュラル色が用意されています。
これらのTEH材料の性能特性には、ショアAスケール55~80の硬度、最大150°C(302°F)までの持続的な使用温度、更には油脂、潤滑剤、燃料および冷却液などに対する化学的安定性が含まれています。したがってこれらの材料は、機械装置、プロセス技術およびビルディングの潤滑および冷却システムに適していると共に、高温の環境で使用する内燃機関の部品、更には電気自動車における駆動系やバッテリーの熱管理などにも特に適しています。具体的には、シール部品やガスケット類、プラグやコネクター類、リッドやカバー部品などが挙げられます。
「個々のアプリケーションに調和する新しいTEHコンパウンドは、材料への確立されたノウハウ、充実した用途市場に関する専門的知識、および当社の確固たる顧客指向のアプローチを正に具現化した材料なのです。」KRAIBURG TPEのCEOであるフランツ・ヒンテレッカーはそう付け加えます。「革新的な技術による多用性と性能は供給者としての当社のコミットメントである『カスタム・エンジニアリングTPE、そしてその先へ。』を具現化するものです。」
2018年10月16日から20日までフリードリヒスハーフェンで開催される第26回Fakumaへのご来訪者は、ホールB5・ブース5303において、この材料、あるいはKRAIBURG TPEの他の材料技術に関する情報を直接ご覧いただくことができます。